ホーム > 小谷の250字 > 2015年8月(31)


<< 観光地に住むということ >>


2015/8/4(Tue)

 ネットの旅行エージェントのアンケートによると、国内で「行ってみたい」場所の1位は東京なのだそうだ。なるほど、住人にはピンとこないのだけれど、改めて眺めてみると東京スカイツリーがあり、浅草があり、お台場があり、確かにここが京都と並んで最大の観光地であることは疑いない。
 しかし当の住人として観光案内ができるかというとかなり怪しい。実はスカイツリーにも行ったことがないし、浅草もよく知らないのだ。
 もしかしたら京都市民の中にも銀閣や竜安寺など見たこともない人がけっこういるのではないか。
小谷隆


<< 科学は宇宙人を想像できない >>


2015/8/5(Wed)

 地球型の星を3つも抱える惑星系が21光年かなたに発見されたという。
 こういう話が出るたびに、やれ生命は存在するのかという話になる。しかしたいていは温度や大気などの条件で「可能性は極めて低い」という夢のない話に落ち着いてしまう。
 なるほど現時点ではそれが科学的な見解なのだろうけど、その科学とやらもしょせん2015年時点のもの。我々の知る「生命」とやらも我々のこの狭い知見の範囲で定義された暫定的な概念にすぎない。
 地球外生命体はたぶんそんな概念を遥かに超えた存在なのだろう。
小谷隆


<< 戦勝論 >>


2015/8/6(Thu)

 クラウセビッツの『戦争論』では、戦争の勝敗はその目的を達したかどうかできまると説いている。
 先の大戦から70年。あの戦争についてはいろんな研究がなされてきた。中には白人支配からの東アジア解放戦争だったと定義づけるものもあるし、昭和天皇もそう述懐している。もしそうだとしたら、その後の各国の独立の歴史を見る限り、大東亜戦争の目的は果たされた。
 確かに戦闘ではこてんぱんにやられた。原爆の実験台にもされ、敗戦国の汚名も着た。しかしそんな多くの犠牲を払って、日本はあの戦いに勝ったのかもしれない。
小谷隆


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