ホーム > 小谷の250字 > 2015年5月(29)


<< スポーツ大国の光と影 >>


2015/5/4(Mon)

 学校教育や部活動を通じて、日本ほど多くのスポーツを体験できる国はなかなかないだろう。およそ戦後教育を受けた人で、各種陸上競技に始まって、水泳、バレー、バスケ、サッカー、ソフトをやったことのない人はほとんどいないと思う。その結果、どれも競技人口はそこそこの数になる。
 なるほど、人口が日本の半分しかない英国にサッカーでは足元にも及ばない理由がここにあるのかもしれない。選択肢が多いのは結構なのだけれど、希代のストライカーになれるはずの素材がプロ野球の二軍で燻っているとしたら哀しい話だ。
小谷隆


<< 鳥というリスク >>


2015/5/5(Tue)

 オフィスのあるビルには空中庭園がある。5階のせり出した部分が細長い庭になっていて、早春の梅に始まって秋の紅葉まで四季折々の彩りで目を楽しませてくれる。
 ただ初夏に向かうこの季節は手入れも追いつかないのか、植木の隙間が雑草で覆い尽くされている。どこからどうやって種が飛んでくるのやら、と訝しく思いながら眺めていると、その担い手がひらりと舞い降りてくる。鳥だ。
 ビルの谷間にこれだけの種を運ぶ鳥たちは、種と一緒にいろんな病原菌やウイルスも撒き散らしていることだろう。
 人知れず戦慄を覚える。
小谷隆


<< 人脈作りとは何か >>


2015/5/7(Thu)

 人脈作りと称して、若い人々が意気揚々と異業種交流会やセミナーに出かけていく。イベントを通じて何百枚という名刺を集めてドヤ顔しているのだけれど、そのコレクションは将来何かの役に立つのだろうか。
 個人的な経験から言うと、名刺の99%はただのゴミである。助けてやってナンボなのだ。ギブアンドテイクなどとドライなことを言うつもりはないけれど、貸しがあるからこそいざというときに助けてくれるのである。それを人脈という。
 どこぞで名刺交換しただけの相手に便宜をはかってくれるほど世の中は甘くない。
小谷隆


 [前の3日表示]   [小谷の250字]   [次の3日表示] 



- 01 -