2015/6/7(Sun)
脳はできる限りエネルギーを消費しないようにできている。だから「ワンワンと音声を発する茶色い生き物」とか「時おり後ろ脚を上げて放尿する生き物」などと個別に認識するのではなく、それらを「犬」と大きな概念でまずは捉えようとする。
こうした概念化はコミュニケーションの円滑化にも大いに寄与する。「犬の散歩」と言えばどういうものであるかたいていの人には容易に伝わる。
これに対し文学は、概念化によって抽象されたものを個別化する。たとえば「犬の散歩」を500文字のエッセイに広げるのが文学なのである。
小谷隆